【レビュー№1731】談志語辞典


評価★★★
前にも書いたとおり著者は評者と大学同期同窓で、同じゼミ(経済学部食糧問題専攻)に所属していた。
昨今、驚くべきスピードで新著の発刊を続けているわけだが、本書は他とは若干体裁を変えて「辞典」という形式を使って著者の師匠である立川談志と著者立川談慶自身の奮闘録とその時代背景を呼び覚ましてくれる興味深い読み物。執筆当時の著者のFacebookを見ていて、いかに本書に著者が熱意と力を入れて書いていたか知ってはいたが、その努力が結実していること間違いない。といっても、そこかしこに笑いと懐かしさが散りばめられているのはさすが(ただし著者にとっては苦難の記憶なのかも知れないが)。
もはや昭和も遠い昔の時代となってきたが、そのうち平成もはるか彼方に消え去るのだろう。本書は結果として、昭和と平成の記憶をたどる面白い読み物となっている。

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