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【レビュー1716】「超」AI整理法

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評価★★★ 毎度書いているが、本書の著者である野口悠紀雄氏と橘玲氏は私の個人的な命の恩人である。もう四半世紀前くらいだろうか。著者の『 「超」整理法 』に出会ってなければ、評者の業務上の遂行能力はほどなく崩壊していたことだろう。 ちょうどその頃から職場で一人一台PCを使うことになったように記憶する。我々はITが世の中に広がっていく時代をまさに駆け抜けてきたわけだ。『 「超」整理法 』は「紙の情報」についての整理法が述べられているが、実は今回の『「超」AI整理法』にもその概要が再掲されており、懐かしく感じた。無論『 「超」整理法 』は著者にとっても評者にとってもいまだに「現役」であり、記憶ベースだが「紙」の情報等が行方知れずとなったのはこの四半世紀では一度だけだったと思う。それだけ理にかなった手法なのだ(なお、今回の『「超」AI整理法」においてその理由について考察が書かれており、これも興味深い)。 時が流れ、インターネット、スマホと変遷していく中、 数年前より著者は音声入力による執筆を開始していた ことは承知していた。さらにこの春先よりサービス提供が始まった Googleレンズ なども踏まえたいわば超整理法3.0が本書の正体だろう。しかしながら、例えば評者のように組織に所属している人間にとって、本書で提案されていることを実行するのは、ほぼ不可能に近いことを本書を読み終えてから数ヶ月たった今実感している。グーグルにログインした状況でないとGoogleドライブもGoogleレンズも使用不可と思われるからだ(勤務先から貸与されているiPadで音声入力は可能だったが。)。 そういう意味では、組織人にとってこれからのAIの時代は住みにくい時代になるのだろう、これが本書を読んでの感想である。