現代社会は不公平。それを受け入れたうえでどう生きるか〈週刊プレイボーイ インタビュー〉
橘玲氏ご自身が、近著の解説をされているので、ご紹介。 (以下全文引用) 現代社会は不公平。それを受け入れたうえでどう生きるか〈週刊プレイボーイ インタビュー〉 : " 『週刊プレイボーイ』11月22日号の「“本”人襲撃」に掲載されたインタビュー「現代社会は不公平。それを受け入れたうえでどう生きるか」を、編集部の許可を得てアップします。 * * * * * * * * 勝間和代氏に代表される、超前向きな自己啓発理論が跋扈する現代ニッポン。だが、少し立ち止まって考えて見てほしい。本当に誰もが「やればできる」のか?できないのは本当に「努力が足りないから」なのか? こうした言説を真っ向から否定し、ある意味で“社会のタブー”に挑戦したのが本書(『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』)だ。 ――この本は序盤から「知的能力は遺伝する」「得意・不得意は子供時代に決まる」と、身もフタもない“不都合な真実”を連発。あまりこんなことを大きな声で言う人はいませんが、読んでみるとミョーに納得感があります。 「知的能力も含め、多くの能力が遺伝するということは、すでに科学的にある程度証明されています。すべての能力は遺伝しない、後天的な能力で変えていける――この耳触りのよい言い分は、あくまで政治的なものです」 ――そう思ってもらっていたほうが都合がいい? 「社会において、公の言説をつくってきたのは大学の教員です。彼らは、教育によってみんなが幸せになれるという“教育神話”を前提にして金を稼いでいる。いわば巨大な“知的既得権”が出来上がっているんです」 ――しかし、本当は生まれながらにしてある程度、能力の幅は決まっている。 「能力を決めるのはまず遺伝、そして残りは子供集団のなかでの“キャラ確立原理”です。子供は自分が所属する集団のなかで、他人よりもできると思ったものを無意識に選択し、自分の資源を集中投下する。そうやって目立つことで異性を獲得していく仕組みは、生物としての基本OSみたいなものです」 ――そうやって組み込まれてしまっているんで...