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10月 1, 2017の投稿を表示しています

【レビューNo.1587】モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第27番・第28番・第33番・第42番

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評価★★★ ヴァイオリンソナタのはずが、内田光子が伴奏者となるとピアノソナタの様に聞こえてしまうのはご愛嬌か。事情は知らないが、この盤の録音までしばらく内田はモーツアルトの録音から離れていたようだ。これがきっかけとなって、先にご紹介した ピアノ協奏曲再録音 に繋がったのだとすれば嬉しい話だ。 ピアノ協奏曲再録音で感じた「老い」の様なものは微塵も感じられず、はつらつとした演奏が続く。

【レビューNo.1586】モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲&ピアノ協奏曲第17番

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評価★★★ 先に クリーヴランド管弦楽団とのモーツアルト協奏曲新盤 をまとめて聴いたのだが、かつてのテイト・イギリス室内管弦楽団との演奏がどうだったか思い出すためにこちらも試聴。 やはり、緻密さという意味ではかつての盤の方が一枚上手か。 五重奏曲も室内楽らしい雰囲気が醸し出されている好演。

【レビューNo.1585】モーツァルト:ホルン協奏曲全集

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評価 ★★★ モーツァルトのホルン協奏曲と言えば、ブレイン・カラヤン盤が超絶名盤との位置づけだろうが、惜しくも録音がモノラル。 本盤は、それに迫ろうかという新たな名盤として評価したい。元ベルリンフィル主席ホルン奏者をソリストに迎え、我らが小澤征爾指揮で、オケは自家薬籠中の水戸室内管弦楽団。録音も 2005 年頃とまだ小澤が極端に体力が衰える前だった様で、若き日を彷彿とさせる好演。

【レビューNo.1584】富・戦争・叡知

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評価 ★★★ 北有事が不安視される中、そろそろどなたかかつての有事の際に市場はどんな反応したかまとめ記事でも書いてくれないか?と問うたところ、 Facebook のフレンドの方に教わったのが本書。あのベストセラー「ヘッジホッグ」のバートン・ビッグズの著作だ。 第二次大戦前から朝鮮戦争に至る戦史概略とその際の株式市場の動向が詳説されている。まとめてしまえば、適切な市場の株式を買っておけという結論なのだが、タレブのブラックスワン(理論)に言及する点も幾度か本書中にはあり、野放図に株を買っておけばいいという結論にはなってない。原書が書かれたのはサブプライムの問題が綻びつつあった頃なので、当然だったのではあろうが。 さて、では今回我々はどうすべきか。それは、自分で考えて考えて考え抜くしかないのだろう。

【レビューNo.1583】警察手帳

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評価 ★★★ 例によって 池田信夫氏推薦図書 。氏によれば本書は加計事件スピンオフの「前川元次官事案」の影響もあってか霞ヶ関界隈のベストセラーとなっていたそうだ。ただ、氏がレビュー記事で書いている様な「警察は霞ヶ関全体匹敵する 30 万人もの巨大組織」的な話はごく一部であり、実際には「警察官になるための公務員試験の受け方」に始まり、入ったらどういう教育があるかとか、その後どの様に昇格していくかとか、どの様なセクションがあってそれらが何をやっているかとか、上(警察庁)から下(現場の警察署)までの指揮命令系統がどうなっているか、警察官はどんな考え方の人がいるのか?などなど、ごくありきたりなことが書いてあるだけだ(著者は元キャリア警察庁官僚で現在は小説家だそうだ)。霞ヶ関の人にとっては、「前川元次官事案」で明るみになった恐るべき警察権力を、この本でうかがい知ることは重要なのだろう。

【レビューNo.1579〜1582】モーツァルト:ピアノ協奏曲 内田光子 クリーヴランド管弦楽団

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評価 ★★★★ 以前に先行して ジュノームと 21 番が入っていた盤 は聞いていたが、内田光子のモーツァルトピアノ協奏曲録音が、自身の弾き振りオケはクリーヴランド管弦楽団で粛々と進んでいる。 内田光子でモーツァルトピアノ協奏曲と言えば、かつてのテイト・イギリス室内管弦楽団盤が完璧とも言える出来だった(評者も数枚所有)ので、いまさらまた?という感も無いではない。聴いてみるとかつての演奏よりはゆったりとしたテンポ。老いを感じないわけではないが、奏者のテクニックは依然健在。やはり、稀代のモーツァルト弾きであることを、再認識せざるを得ないことは間違いあるまい。 評者が学生時代ご指導いただいた故畑中良輔先生(オペラ歌手、音楽評論家、モーツァルトのオペラ本邦初演の全てのタイトルロールを演じるなど日本声楽界黎明期の功労者)曰く「モーツァルトの音楽には死の影がある」とのことだったが、よりそれを感じさせるのは今回の盤だろう。