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1月 3, 2014の投稿を表示しています

【レビュー№1216】ゼロ

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評価★★★ 各地の書店での売れ行きも好調で、確かテレ東のモーニングサテライトでのビジネス書ランキングでもしばらくずっと1位だったホリエモンこと堀江貴文氏の近著。 著者がTwitterでしばしばフォロワー達によるレビューツイートをRT していたので、だいたいどんなことが書いてあるかは予想がついていたが、正直なところ堀江氏も随分丸くなられたなあというのが、読んでみての感想だ。 氏が起業に至るまでの「自叙伝」的な前半部分がおそらく本書の白眉なのだろうが、確かになるほどと思うところもあるが、これとて タレブの言うところの勝者バイアス だと言ってしまえばそれまでではある。 悪くは無い書だと思うが、読んでみてのドキドキ感やキラメキという点では、 氏が出所後に行ったインタビュー記録 には及ばないと思う。 ただ、個人的には恐らく一般の多くの方と違って、評者は堀江氏に大きな期待をしているので、これからの氏の飛躍をお祈りしたい。

【レビュー№1215】ファスト&スロー

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ファスト&スロー (上) ファスト&スロー (下) 評価★★★★★ Amazonのアカウントで確認したところ、昨年の3月に本書をKindleで購入しているのだが、本日までに上下巻を5回通読してきた。やっとのことで、腹に落ちた様な気がする。 だからと言って、本書が例えば タレブのブラックスワン の様に難解な書であるわけではない(ちなみに、すっかり忘れていたがブラックスワンは4回通読してレビューしていた様だ)。 著者自らがまえがきで、また 池田信夫氏もレビュー記事 で指摘するように、本書の正体は「オフィスでの井戸端会議のネタ」のオンパレードだ。一つ一つの逸話は大した話ではないのだが、それらがことごとく直感的な予想に反するので、本書でも触れられている ミュラー・リヤー錯覚 の様に、頭の中に違和感をもたらすのだ。 池田信夫氏のレビュー記事 にもあるカーネマンの言うところの「システム 2」の負荷が高まるからなのだろう。 だからと言って、本書を避けることはかつて 評者がブラックスワンのレビューに書いた のと同様の理由で、あなたの人生にとって大きな損失となるだろう。 本書を読んでいる間に、何人かの方から「話題の本の様だが、要はなんて書いてあるんだ?」と質問を受けたことがある。 終章が「結論」となっており、強引にまとめてしまえば、 速い思考をする直感的なシステム1と、遅い思考をする熟考型のシステム2 理論の世界に住む架空の人種エコンと、現実の世界で行動するヒューマン 現実を生きる「経験する自己」と、記録をとり選択をする「記憶する自己」 ということなのだろうが、これだけ読んでも理解不能だろう。毎日1章ずつだけでも構わない。時間をかけてでも、お読みになることを強くお薦めする。