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【レビュー№1744】昭和20年8月20日 日本人を守る最後の戦い

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評価★★★★ 本書の単行本は昭和56年の発刊だそうだが、我が家の机上に置いてあったと記憶する。評者の母が、本書で描かれている内蒙古の張家口からの引き上げ一家の一人だからだ。 評者がこよなく愛する「キスカ島撤収作戦」とは違い、本作戦(内蒙古、張家口からの邦人4万人脱出作戦)では敵(ソ連軍)味方共に実に多くの将兵が戦死ないし負傷されている。この方々の尊い犠牲なかりせば、今日私はこの世に存在してないのだ。40年近く前に読んだ時もそうであったように、今回も本書を読みながら感謝の涙が止まらなかった。 かつて母から聞いた「無蓋貨車に乗って天津まで何十時間もかかって運ばれたが、沿線を守っていた日本兵がリンゴを投げ入れてくれた」との逸話も紹介されていた。その兵隊さんは、ご無事にご帰国できたのであろうか?それとも?敗戦後の昭和20年8月20日に、命をかけて4万人の邦人を守り抜いたみなさんに、この場を借りてお礼申し上げたい。 あと長く眠りついていたこの本を文庫本で復活頂いた出版元にも、感謝申し上げたい。