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【レビュー№1729】イスラム2.0

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評価★★★★★ 正直なところこれほどまでにイスラム教が恐るべき宗教であるとは、この本を読むまでまったく知らなかった。そういう意味では平和ボケの日本人にとって、本書は必読書であろう。なぜなら、本書にも書かれている通り、イスラム教徒人口は他を圧倒する勢いで増加しており、2070年には世界人口の3人に1人がイスラム教徒になろうとしているからだ。そのイスラム教の教義と現状についてわかりやすく解説してあるのが本書なのだが、読めば読むほど恐ろしくなる。 本書に『一人で外を出歩く女はどのような服装をしていようと「ふしだらで尊厳のない奴隷女」「売春婦」であり、ゆえにそのような奴隷女は触ろうとレイプしようとなんら問題はない、と信じているイスラム教徒男性は少なくありません。』との記載がある(ちなみに、本書の著者は女性である)。これだけ読んでも、いかにイスラム教徒の人生観は我々とはもって非なるものであることが容易に理解できるだろう。 本書の題名である「イスラム2.0」の2.0とは、従来であれば過激な思想はある程度イスラム法学者らによって制御されていたのだが、インターネットの世の中となり誰もが直接コーランの教えそのものに触れるようになった結果、いわばキリスト教における宗教改革のようなものが起きていることを指している。そしてその思想と行動は過激になる一方なわけだ。なにせ、コーランには「現世はたわむれ、あそびにすぎない。来世こそが本当の生。」とあるので、来世で天国に行けるようひたすらコーランの教えに忠実になるのがイスラム教徒にとっての最重要課題なわけである。だからこそ、自爆テロなども容易に肯定化される(一族みな自爆テロで果てる事件なども起こっているようだが、彼らにとっては悲劇でなく喜びなのかも知れない。)。 そしてそのコーランには「神の勝利は近い」と記されていることから、イスラム教徒はイスラム教による世界征服は必ず実現されると信じているのだそうだ。 この様な背景を理解しないと、例えば「ソレイマニ暗殺作戦がなぜ行われたのか、それをなぜトランプが認めたのか(彼がそれを理解しているかどうか疑問ではあるが)」といったことについて間違った判断をしてしまうのではないだろうか。 いま、世の中はコロナウイルス一色になっているが、本書を読んでイスラム教徒の方がはるかに恐ろしい存在に思える。