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【レビューNo.1434】捨てられる銀行

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評価★★★ 図書館に予約しておいたら半年近く待たされた。いまだに大型書店の新書売れ行き上位にあるようなので、人気の書なのだろう。 共同通信の記者による金融庁森長官の目指す金融行政について書かれている書なのだが、この題名は編集サイドが決めたのだろうか?やや誤解を招く。 面白いのは、広島及び広島銀行が森長官金融行政のキーになっているのだという点か。評者も広島生まれなので薄々は知っていたが、広島銀行はバブル期にやや野放図な貸出から厳しい時代を体験。その中で、マツダ及びその関連企業の支援に奔走してきた幹部が、異例なことに金融庁の森長官の司令塔として引っこ抜かれたのだそうだ。このあたり、マツダのかつての迷走を知る人間としては、近時のマツダの別人の様な変わりぶりの理由を見つけたような気がしてならない。 わかりやすく大胆に言えば森長官は金融庁マニュアルの撤廃=資産査定の放棄を考えているようであるが、本書にもあるように金融機関の現場がそれに耐える能力(コンサル等々)を持ち得ているかどうかは些か疑問に感じる。また、地方金融機関の合併についても否定的な見解とあり、意外な感じもした。