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3月 25, 2017の投稿を表示しています

【レビューNo.1504】チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」

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評価★★★★ 早いもので ギドン・クレーメル も70歳になられたようだ。評者は確か20年くらい前の来日の折に演奏を聞いたことがある。気楽な室内楽スタイル(普段着の様な格好で、終始立ったまま弾いていたと記憶)だったがその鬼才ぶりはよく伝わってきた。 本盤は2010年の録音のようで、こちらの記事によると 翌年日本でも同内容にて演奏会が行わる予定だったが大震災の影響でピアニストのブニアテイシヴィリの来日が中止となってこのトリオでの演奏は実現しなかった ようだ。 この盤の発売当時であればクレーメルによる「偉大な芸術家の思い出」ということだったのであろうが、時が流れ ブニアテイシヴィリ がピアニストを担当しクレーメルがヴァイオリンを弾いた「偉大な芸術家の思い出」という評価になるのだろう。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのブニアテイシヴィリのおそらくはメジャーデビュー盤かと思われる。録音当時は63歳であっただろうクレーメルはかつてのような火の出るようなアパッショナートはやや影を潜めているようではあるが、そのテクニックは相変わらず。若々しいブニアテイシヴィリがエネルギッシュなピアノ伴奏でそれによく応えている。

【レビューNo.1503】実践 資産承継の勘所

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評価★★★ 著者は早稲田大学政治経済学部を卒業後平成8年に当時の拓銀に入社の後、東京都職員に転職、さらに新日本有限責任監査法人、税理士法人タクトコンサルティングを経て現在資産税専門の税理士となられたという我が国においては変わった経歴の方と言えるだろう。 著者のFacebook を拝見するとかなり営業色の濃いものに感じるが、それは事務所への相談利用を促すものであって決して個別の金融商品や対策への過度の誘導を意図するものでは無いようである。本書からもそのスタンスは窺い知れる。 資産家を企業オーナー、不動産オーナー、金融資産オーナー、ミドル富裕層と4つに大別しているのは大ざっぱな様にも感じられるかも知れないが、現場の実感としては違和感は無いのではないだろうか?本書で語られている対策等は王道のものばかりであり、例えばミドル富裕層には過度な相続税対策は不要であると強調されているなど、著者の良心を感じる。