投稿

2月 7, 2016の投稿を表示しています

【レビューNo.1387】糖質制限の真実

イメージ
評価★★★★ かれこれ四年くらい前、著者の勤務される北里研究所病院に評者は胆石の手術のため一週間ほど入院した。その時の記憶だと、院内に糖質制限食などの喚起を促す掲示等は無かったと記憶する。しかし本書によれば、現時点では同院では糖尿病患者への食事指導として、まず糖質制限食が提案されるとのことだ。著者曰くここ数年でこの辺りの常識は激変したと言う。 驚いたのは、 評者が長年糖質制限食入門本として推奨していたこちら を厳しく非難していたことだ。同書の書きぶりが、結果として糖質制限食の正当な評価を歪めることとなって、大いなる遠回りを余儀なくされたことになったとは知らなかった。 白米より卵かけ御飯の方が健康的、白米よりチャーハンの方が健康的、と聞いて、それ間違いでしょ!と思うあなたには本書の一読をオススメする。

【レビューNo.1386】人体600万年史(上)

イメージ
評価★★★★ サッカーなでしこ代表 FW の大儀見選手が以前この本を読んだと語っていて関心を持ったのだが、人気の本らしくなかなか図書館の予約順番が回って来なかった(今でも私の近所の図書館では予約 10 人待ちの様だ)。 個人的なことだが、その予約を待っている間に、長年投薬治療を受けて来た高血圧が悪化して悩まされる事態となっている。本書は上下2巻の前半にあたるが、その巻末の第 7 章がいわゆる現代人が悩まされる特有の疾病(著者は「ミスマッチ病」と名付ける)についての言及がある。著者曰く高血圧は「肥満を招くような食生活、塩分の摂りすぎ、運動不足、そして酒の飲みすぎ」が原因と一刀両断なのだが、問題はそうならばなぜそれが改善されず、かくも多くの人がいわゆる生活習慣病などに悩まされるのかということだ。そのことについての詳しい考察は下巻に展開される様である。 上巻の大半は、我々の祖先がチンパンジーと分岐するところから始まり現世人類のみが最終的に唯一生き残るまでの経緯の説明に割かれている。 やや退屈な感もしないではないが、おそらくはその歴史的経緯を理解しないと、下巻以降の考察も理解できないのだろうと思う。