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9月 21, 2014の投稿を表示しています

【レビュー№1277】〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義

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評価★★★ 池田信夫氏がレビューでずいぶんと高評価 をされていたので楽しみにしていたが、正直 カーネマン を読んだ後ほどの感動はなかった。 池田氏も引用されている「ニワトリとシャベル」の実験の話も、 カーネマン本 にも言及されていたので、ああそうなのかという感想しかなかった。 とはいえ、現代の認知神経科学の世界的権威の著書(正確には講義録)であるので、読んで損があるはずはない。このような人物が大統領生命倫理評議会のメンバーを9年も務めていたという米国は、やはり底力のある国なのだと妙なところで感心した。

【レビュー№1276】FP技能士1級学科精選問題&模擬問題〈’14~’15年版〉

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評価★★★ 先週の日曜日、何回目かは忘れたがFP1級の学科試験を受けた。ウエッブ上で調べると本書の評判がよかったので購入して学習した。まだ、合否の判定が来ない段階ではあるが、いわゆる選択問題である基礎編の勉强にはいい素材であったように思う。 ただし、本書は分厚く重いので、各章をバラバラに分解して持ち歩いて学習していたことは書いておこう(この手の問題集は年度をまたぐと法令改正等で意味をなさないので、そのような使い方でいいと個人的には思うが)。

【レビュー№1275】世界経済危機は終わった

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評価★★★ 書店での在庫の減りが急だったので人気の書物なんだろうと思い、図書館で予約をかけたまま忘れていたのだが、ようやく順番が回ってきたのだが、ちょうどそのころ きんざいのメルマガで金融庁の大森局長が本書をレビュー されておられた(局長は本書に対してかなりの違和感を表明されておられる)。 では、私はどう思ったのかということだが、それはひとことで言えば本書の最後の最後に書かれていることだ。著者は今般の未曾有の危機が大恐慌のような破滅的な事態に陥らなかったのは、民主的に選ばれたリーダーのおかげではなく民主的に選ばれたわけではない中央銀行の銀行家達によってなされたと結論づけており(それはリーマン直後のTARP否決を生で見ていた人間なら理解できるだろう)、危機は去ったがこれから国際的なリーダーとその資質についてはネガテイブな予感を持っているようだ。 経済学は大恐慌の折の反省を踏まえて、今回は少しは役立ったのかも知れない。しかし、もしかするとそのことが、別の部分での不幸の始まりとなるかも知れない。ひょっとすると中東やアフリカで起きていることも、そういったことが回りまわっているのではないだろうか?