【レビュー№1827】京成はなぜ「国内最速」になれたのか
京成はなぜ「国内最速」になれたのか 評価★★★ この一年くらい、月に一度くらい京成上野から京成本線に短区間乗ることがあったのだが、スカイライナーが空気を乗せて走ってるのを見るにつけ心配になっていた。たまたま図書館でこちらが蔵書になったので読んでみた。そしてそのスカイライナー乗車記がプロローグとして本書は始まる。やはり一両あたり5人程度の乗車が、現在の実体のようである。 ここから目次を経て本章が始まるが、言うまでもなく京成電鉄の創業から今日までを振り返る内容となっている。人車(皆さん何のことかご存知だろうか?)からの創業、都心(上野)乗り入れへの執念の寝技、京急と都営線との直通乗り入れに伴う世紀の改軌(みずほの関係者はこの辺り一読学んだ方がいいのでは?一日の運休もなしに成し遂げた奇跡の作戦)、成田空港、バブル崩壊とその影で今なお放置される未成線、ディズニー開業、スカイアクセス線構想とその開業、新型コロナによるインバウンド需要激減、などなどこれほど浮沈の激しい私鉄も珍しかろう。 知らなかったが今のスカイライナーは故山本寛斎のデザインだそうだ。道理で洒落ている。そう遠くない日に、スカイライナーに多くのお客さまがあふれて、沿線を(最高)時速 160 キロで疾走するのを願って止まない。