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8月 14, 2018の投稿を表示しています

【レビューNo.1678】ショパン:12の練習曲

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評価★★★★ NHKのアニメで「 ピアノの森 」という作品を放映(いったん中断し1月から再開のようだが)しているのだが、どうも作中演奏されるショパンの楽曲に納得が行かず、たぶん10年ぶりくらいにポリーニのこちらを聴いた。彼が若い頃の録音であるが、当時から「これ以上の完璧さを求めますか(当時のジャケットの帯の宣伝文句と聞く)」最高峰の録音と言われ高いものであるが、改めて聴くと本当に感服する。まさに、そのジャケットの宣伝文句の通りであろう。

【レビューNo.1677】大東建託の内幕

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評価★★★ 当社については某ライオン(仮称)同業同様色んな悪評がネット上には蔓延していたが、本書はその個別事案を丁寧に追跡したフリージャーナリストのルポルタージュ。 まあ、これが全てとは思いたくは無いが、これだけでも十分だろう。 先日知人(お客さまでは無いからギリギリ守秘義務的にはオッケーとは思うが)が、同社の施工で空き地の有効活用を始めたと聞いて、私はコーヒーを吹きかけた。氏曰く「既存貸家入居者の退去交渉をやってくれるのは、同社しかなかった」と言う。 まあ、そういうことなのだろう。

【レビューNo.1676】新・生産性立国論

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評価★★★★ かつての本邦バブル崩壊時に当時ハゲタカ外資と揶揄されてたであろうゴールドマンサックスのアナリストとして、不良債権問題を鋭く指摘した著者は、同社のパートナーにまで上り詰めるが、(さすがの相場観であるが)リーマンショックの直前に同社を去り、いつのまにか日本の文化財の守り手の一人となって活躍していたのは最近テレビ番組等で見聞きしていた。が、「あとがき」を読んで彼が本書は「 34 年間かけて日本を研究してきた集大成」と書いているの読んで、そこまで日本が大好きなのだなこの人はと思い直した。多くの金融関係者(特にバブル期現役だった人)には彼を忌み嫌う人がいまだに多いように思うが、政府や経済界、経済学者を含めて、真に真剣に 34 年も日本の将来のための研究をしている人間が果たしていかほど居るだろうか。ここは真摯にその主張を聞くべきかと思う。 人口減少が始まった日本に残された時間は少ないと彼は言うが、一方で世界最高レベルの日本の人材が普通の国で行われている普通のことをやれば必ず他国が羨むくらい復活するとも彼は言う。あとは、我々ひとりひとりがどう考えどう行動するかだけだと思うのだが。

【レビューNo.1675】「AIで仕事がなくなる」論のウソ

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評価★★★ 本書を誰に薦められたのか忘れてしまったのだが、図書館に予約してからずいぶん待たされたので人気の書なのだろう。 結論から言うと AI と言えども今後 15 年くらいのタームでは、人の仕事を奪うほどのことはできないよという主張だ。 本書を読んでいて思い出したのが、タレブの「反脆弱性」に出てくる、約 3000 年前の台所に用意されていた料理器具の挿絵だ。 要は 3000 年経っても料理に使う道具にほとんど進化はなく、人の関与具合も変化はないという話だ。本書には、「回転ずしの AI 化」の話が繰り返し出てくるが、例え今存在する様な「シャリ握りロボット」は出来たとして、ネタごとに本来はシャリは変えないといけないそうで、ネタを切るロボットとなると絶望の様だ。ましてや、お客様の管理など現時点の AI では望むべくもないという。 だから、あなたが評者の様に 50 歳代のオッさんならたぶん何も困ることは無いだろう。その後のことが心配な世代は知らないが。