橘玲さん、やや炎上気味になりながら、よくお答えになってらっしゃいますね。頭が下がります。 この手の話題は、すぐ盛り上がるんですよね、ツイッターやフェースブックでも。 (以下全文引用) 子育てについての質問あれこれ : " 「子育て神話から自由になるために」 をベースに、子育てについてのご質問に(わかる範囲で)おこたえします。 「お受験」について ▼サラマットさん 都会で公立学校を避けるための「お受験」については何も疑問を持ちませんが、よりハイレベルな学校に入学するための「お受験」は自分の勉強ができるというキャラクターをつぶしてしまうのではないでしょうか。 もちろん、ハイレベルな学校でも上位をキープできるのなら良いのでしょうが、ぎりぎりその学校に合格し下位に甘んじているのなら、いっそ中位レベルの学校の成績上位を維持したほうがいいのではないかということです。 「最難関の学校の当落線上の受験生のその後の進学先」を比較すれば一番データとしてはいいのでしょうが、ちょっとわからないので、是非先生のご意見を伺いたいです。 ご理解のとおり、私が私立学校を勧めるのは安全保障上の理由からです。 暴力装置のない公立中学は警察のない社会のようなものなので、治安が不安定になるのは教師の質や努力の問題ではなく、構造的な必然です。もちろん親はこのことに気づいているので、(とりわけ都市部では)エリート教育ではなく安全確保のために私立中学を受験せざるを得なくなる、というのが私の体験的な観察です(いまは中高一貫の公立校ができてすこしは事情がちがうのかもしれませんが)。 エリート校の「お受験」というのはそもそもやったことがないのでよくわかりませんが、ご指摘のように、一流校で挫折することもあれば、中位校で成功することもあるでしょう。ただ中学・高校ともなれば、子どもがどう生きるかは親にはどうすることもできません。 あえていうのなら、現代社会において、知的能力(言語運用能力や論理数学的能力)に秀でていることはきわめて大きなアドバンテージです。ご質問のような選択肢で悩むこと自体、とても幸運なことであることは間違いありません。そのことを子どもに伝えて、自分の進むべき道は自分で選ばせるようにすればよいのではないでしょうか。 * * *...