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1月 8, 2010の投稿を表示しています

[経済]ラジャン、米国型資本主義の今後を語る

前に池尾慶大教授などもご紹介されていた経済学者のラジャン(彼はインド人であるが)のWSJでのインタビューを翻訳されている方がいらっしゃった。ご紹介しておこう。 (以下全文引用) [経済]ラジャン、米国型資本主義の今後を語る : " 昨日に引き続きWSJブログネタ。昨年末の ラグラム・ラジャンへのインタビュー の拙訳。 シカゴ・ブース・スクール・オブ・ビジネスの経済学者ラグラム・ラジャンは、その先見性で名を知られている。2005年、当時のFRB議長アラン・グリーンスパンを称える会合で、彼は、過去20年間の金融の発達が惨事を招きかねないと主張する論文を提示した。彼のそうした見解は評判が悪く、その時点では厳しい批判にさらされた。今は人々は彼の言うことに大いに耳を傾けるようになっている。 ラジャン氏は2003年から2006年までIMFの主任エコノミストを務めた。彼は今回のWSJとの会見で、米国の2000年代の憂うべき経済パフォーマンスが意味するところと、それが米国型資本主義への見方にどのような影響を与えたか、および、その結果としてモデルがどのように変化する可能性があるか、について語ってくれた。 2000年代の10年間は、エンロンの崩壊やITバブルや大不況がありましたが、それによって米国型資本主義モデルの信頼が損なわれたでしょうか? 物の言い方は随分変わりましたね。人々は米国を手本とすべきとはもう言わなくなりました。かつて米国は良く講釈を垂れていましたが、今は当然の如く他国はそのことをネタにしています。 資本主義は機能しない、と結論した人もいます。問題は、彼らが、理に適う代替物を持ち合わせていないことです。規制がより必要だと言うことは、市場が機能しないと言うことと同じではありません。 あなたは世界中を飛び回って各国政府や中銀に助言しています。その多くは米国型モデルを目指していました。彼らの態度は変化しましたか? 米国型資本主義を今までのぬるま湯的なやり方への脅威と考える人々は、この危機をその脅威を追い払う機会と捉えています。仲間内経済が力を取り戻しつつあり、国内大手企業や様々な形の保護主義が勢いを得ています。 例を挙げましょう。インドで金融部門の改革に関する委員会の議長を務めた時のことですが、我々の提案の一つは、金融システムにおける国立銀行の優勢な立場を

この一年間で面白かった政治・経済の一般書5冊

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最近引用することの多い金融日記さんが読書ガイドをお書きになっているので、ご紹介しておこう。 (以下全文引用) この一年間で面白かった政治・経済の一般書5冊 : "この前は ちょっと専門的な金融・経済関連の本5冊 を紹介したので、今日は読みやすくて面白かった政治・経済の一般書を5冊紹介しようと思います。 1. 鳩山由紀夫の政治を科学する (帰ってきたバカヤロー経済学) 高橋洋一、竹内薫 この本最高です。 さすが高橋さんは面白いなー。 この本は一言でいうと「民主党のアルゴリズム全公開」です。 外からみていると不可思議で支離滅裂な民主党政権の政策ですが、実は非常に冷徹な戦略が背後に隠されています。 それを赤裸々に暴露している本です。 まあ、民主党アルゴリズムを簡単に説明すると「自治労と日教組とパチンコ業界への利益誘導と、自民党支持団体の根絶と、頭の悪い無党派層に政治パフォーマンスでいかにウけるか」ということだけなんですけどね。 民主党の次の一手を予測するためには必読ですね。 2. 脱「ひとり勝ち」文明論、清水浩 クリーン・エネルギーは今後世界中で盛り上がるであろう技術なんですけど(すでに関連企業の株価はバブル気味ですが)、電気自動車や太陽光発電を切り口にとても面白い話がいっぱい書いてあります。 著者は時速300キロを超える電気自動車を作った研究者です。 このような環境分野には世界的に税金が投入されると思いますが、そこは政治家や官僚の利権にせずに、人類のためにフェアーな開発競争をあと押しできるような政策が必要でしょうね。 いずれにしても排気ガスのでない電気自動車ははやく普及してほしいものです。 → 以前の書評 3. 「食糧危機」をあおってはいけない、川島博之 食料自給率XX%を目指すというような政策で、農業利権にさらに税金を突っ込んで自らの票田にしようという政治家にだまされないためにも本書は必読です。 → 以前の書評 4. たった1%の賃下げが99%を幸せにする、城繁幸 日本の硬直した労働市場が、実は若者を搾取するための仕組みになっていることは、最近さまざまなメディアで報じられるようになりましたが、この本は日本の労働問題を考えるのにとてもわかりやすい本です。 しかし、労働組合は民主党の支持団体なんですよね・・・ とほほ。 → 以前の書評 5. 希望を捨てる勇気―停

菅大臣の「口先介入」について=「結果オーライ」だったのでは

日銀ジャーナリストの本石町日記さんが財務相の一連の発言について記事を書かれている。 (以下、全文引用) 菅大臣の「口先介入」について=「結果オーライ」だったのでは : " 菅大臣の円安誘導発言、つまり「口先介入」がいろいろと報道されて、菅氏がまずい対応を取ったかように扱われていた。ただ、この件で総理がコメントする場面がニュースに出ていたが、全体を聞いた印象では問題視するような印象は受けなかった。今もNHKが「波紋が広がっている」と報じているが、正直、この件はそれほど大々的に取り上げる問題なのか、という気がする。意図的に騒ぎを大きくしているきらいがある。  報道では、発言で相場を動かしたこと自体を問題にするかのようなものもあったが、つい数年前は介入しまくりで、それに比べれば発言でちょっと動いたこと自体は大した話ではない。口先介入すると、逆に相場の安定化が難しくなり、基本的に水準には触れない方がいいよね、という経験則があるからで、相場との対話の技術論に過ぎない。逆説的には、口先がメチャうまくて相場が安定できる能力があるならやればいいのである。相場を幻惑した榊原財務官とかドル買い、ドル売り両方やっちゃているし。溝口財務官など30兆円も打ち込んだ。  私は、どうせうまくいかないのだから、と思っているので、口先でも実弾でも介入という方法には否定的だ。その上で、菅大臣の今回の発言を(かなり無理して・笑)好意的に解釈したいのは、前任の藤井大臣が広めてしまった円高容認というイメージを多少なりとも払しょくできた可能性があるからだ。  経済的観点では、今の日本経済にとっては円高は困るのであって、なるべく円安気味に推移するのが望ましい。ところが、藤井大臣の発言でドル売りが仕掛けられやすい地合いが定着した。最近でこそポジション調整でドルは反発したが、再びドル売りの流れになると「どうせ介入はないんでしょ」となめられてしまう。その流れが今回の発言でいったん断ち切られたら、良かったと評価すべきであろう。  問題は今後の対応だ。「この政府は円高が行き過ぎたら介入してくるに違いない」と市場に恐怖感をもたらすことができるかどうか。市場が調子に乗ったら、どっか効果的なポイントでガツンと食らわせる介入をやれる覚悟があるかどうか。後、相手のある話でもあり、そこら辺の調整ができるかどうかも肝であろう

Google 人類史上最も重要なエネルギー企業になる(かも)

で、前の記事でご紹介したグーグルの電力参入の件をさっそく解説されている方がいらっしゃった。ご関心のある方はURLをクリックして全文をどうぞ。グーグルのデータセンターの動画も閲覧できます。 (以下一部引用) Google 人類史上最も重要なエネルギー企業になる(かも) : "「米グーグル、エネルギー事業への本格参入に向けて認可を申請」という ニュース が 池田信夫氏のTwitter から流れて来た。 昨年末に、 2009年ウェブの最大のニュースはマーク・アンドリーセン としたが、2010年ウェブの最初で最大のニュースはGoogleエネルギー企業になる、にしよう。 Google がエネルギー企業になる予感は、2006、2007年頃からあった。このころから本格的に始まったクラウドコンピューティング化によってGoogleの事業戦略上最も重要なことは、検索技術開発でもなく、広告でもなく、AndroidでもChromeでもなく、エネルギーの確保になったからだ。(※ Googleにとって技術開発は命であり引き続き最重要である) 続きを読む

米グーグル、エネルギー事業への本格参入に向けて認可を申請

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ウオールストリートジャーナルによると、いよいよグーグルが電力事業に参入 するようだ。 彼らのことだ。エンロンのようなアホなことはやるまい(笑)。しかし、どんな世界が始まるのだろうか? (以下引用)  米インターネット検索大手グーグルは先月、同社子会社グーグル・エナジーを通じて米連邦エネルギー規制委員会(FERC)に、電力販売会社として活動を行うための認可申請を行った。認可が得られれば、基本的に他の大手電力会社やエネルギー取引企業と同様に、市場価格で大量の電力売買ができるようになる。  同社は申請について、自社の電力供給をより効果的に管理し、再生可能エネルギー資源のさらなる活用を推進することを狙いとしていると述べた。同社による今回の動きは、大手IT(情報技術)企業が、増加し続ける自社のサーバーや大型コンピューターの運用に、いかに大量の電力を消費しているかを示すものだ。  米国では現在1500社が電力販売会社としての認可を得ているが、そのほとんどが公益事業会社または発電会社で、IT関連企業がこうした申請を行うのは異例。 Reuters 太陽電池パネルが設置されたグーグルの本社ビル  グーグルは同社が運営するデータセンターの数や場所を公開していないため、同社がどの程度の電力を消費しているかは不明だ。グーグルは昨年4月、同社が特定できる範囲において同社のデーセンターは世界で最も効率的だと述べたが、実際の消費電力量については言及しなかった。  米データセンター業界誌『データ・センター・ナレッジ』(電子版)の編集者、リッチ・ミラー氏によると、同氏が特定できたグーグルのデータセンターは24カ所で、総消費電力量は推計で平均的な大規模発電所2カ所分に相当する。  ミラー氏は、インターネット関連企業が運営するデータセンターの消費電力量は一般に30~50メガワットだと言う。だが、グーグルの最も大型のデータセンターの電力消費量は、それ以上の可能性があるという。  グーグルは2007年、「カーボンニュートラル(炭素中立)になる」と宣言し、自社ビルやデータセンターへの電力供給時に発生する二酸化炭素(CO2)を中立化(排出と吸収をプラスマイナスゼロにする)する取り組みを開始している。同社の本社ビルに1.6メガワットの太陽電池パネルを設置するなど、同社は可能なかぎり環境にやさしい電力の獲得に努めて