【レビューNo.1527】金利と経済
評価 ★★★★ 言わずと知れた元日銀の重鎮にして京大大学院教授の翁氏の新著。過去の著作でも古巣日銀に歯に衣着せぬ厳しいことを言ってこられたが、本書はその最終決定版か。あとがきが強烈で、過去の歴代ご著書を連続して引用しつつ、異次元緩和は予定通りワークしなかったと明言されておられる。 冒頭に天皇陛下在位 60 周年記念金貨偽造事件の話が書かれているが、これが面白い(余談だが、この件は対外厳秘扱いと漏れ聞いていたのだが、本に書いてしまったよかったのだろうか?)。なぜ、犯罪集団の予定通り偽造金貨が両替されてしまったのか?読んでのお楽しみということにしたいが、この話は通貨というものの本質を見る思いがする。