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4月 29, 2019の投稿を表示しています

【迷著迷盤再読再聴№2】ザ・ラスト・レコーディング

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評価★★★★★ 先日より開始した「 迷著再読シリーズ 」であるが、音楽についても随時書きたいので、件名を変更したいw ということで本盤であるが、かつて 評者がレビュー したようになんといっても終曲のワグナーの「愛の死」が絶品である。本盤の録音は死のわずか数日前まで自宅にて行われたとのことだが、ここには老いや死などを感じさせるものは微塵も無い。本当に彼は最後のヴィルトーゾだったのだろう。かつて晩年の来日時のコンサートの評論として吉田秀和が「 ひびの入ったホロヴィッツ 」と揶揄して(確か同評論は大学入試の問題文としても採用と記憶)いたが、そのようなそぶりはいささかも感じられない。死を前にして神が与えた最後の光だったのだろうか。

【レビュー№1706】平成はなぜ失敗したのか

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評価★★★ この前にレビューした同じ著者の「 戦後経済史 」の続編の位置付けと思われるが、「 戦後経済史 」が小泉政権までを扱っていることから特に本書の冒頭部分では同書と重複して掲載されている記載が多い。例えば、第一勧銀(当時)の宮崎会長と日債銀(当時)の窪田会長の「犬死」についてはほぼ同じ文量書かれており、著者の同事案についての怒りの深さを感じる。 本書については既に 池田信夫氏がレビュー (全文は有料メルマガでしか読めないが)しているが、氏が指摘する様に供給サイドだけでなく需要サイドについても「平成の長期停滞」の原因があるのだとすれば、令和の時代は(これまでもそうだったかも知れないが)経済(学)にとって未知なる航海を試されるのであろうか。