【レビューNo.1322】なぜ、日本人の金融行動がこれから大きく変わるのか?
評価★★★★ 4つ星としたが、あなたがなんらかの形でリテール金融に関わる仕事をしてらっしゃるのなら、本書は5つ星と判断する。まえがきに「本書は、金融機関の経営者、企画担当者、最前線で顧客対応する営業担当者及びその管理者に読んでいただきたい。」とあるが、まさにその通りだと思う。 (以下「」内は原書からの引用) ・「全国の死亡者数は1990年の年間82万人から13年には127万人に増加している。(中略)相続マーケットは今後も拡大し、20年には53.1兆円、30年には59.4兆円に達すると予測される」:(評者注 不謹慎ながら、言うまでもなく右肩上がりのマーケットであることは自明だろう。) ・「首都圏だけでも、10年間の累計で36兆円、すなわち年間3.6兆円の相続資産の流入がおきる(中略)、「毎年丸ごと一行、地銀が首都圏にやってくる」ようなものである。」:(評者注 私も田舎に親が居て、首都圏に住む身なので、まったく違和感のない話である。) (引用終わり) などなど、ありとあらゆるリテール金融分野(住宅ローンやネットバンキングに至るまで)の今後の方向性についての考察が調査に基づいてなされている。言われてみれば「なるほどそうか」と思う部分が個人的にはほとんどすべてなのだが、なかなか自分で気がつくのは難しいだろう。