投稿

1月 17, 2021の投稿を表示しています

【レビュー№1774】新事業承継税制のかしこい使い方

イメージ
  新事業承継税制のかしこい使い方 評価★★★ 評者の職務上恥ずかしいことながら、過日職務中に事業承継税制の「特例」版において、贈与を行って届け出等が完了した後、実際に相続が発生した際の相続税について適切な説明が一瞬できない場面に出くわした(何も資料を持ち合わせてなかったから仕方なかった面もあるが)。 帰宅後、 国税庁の資料 を見てみたのだが、お役所資料過ぎて一読しても要領を得ないので、解説している本を探していたところ図書館でこちらに出くわし一読した次第。 改めてこの制度の難解さ(だからこそいまだ「特例」となっても当初企図したほどは広がっていないように感じるが)に辟易としたが、本書は「いちばんわかりやすい」と名乗るだけあって、平易に解説(かつ例題も理解に役立つ)してあるので助かった。

【レビュー№1773】リープフロッグ

イメージ
  リープフロッグ 評価★★★ 題名のリープフロッグとは蛙飛びのことだが、後から来たものが、蛙が飛び越すように追い越してしまうことの意味で昨今は使われているようだ。 我々としては真っ先に中国のことが目に浮かぶわけだが、本書では中国の目もくらむような先進のネット、クラウド社会を冒頭紹介した後、意外にもアイルランドに話を移す。アイルランドは今や英国をしのぐ勢いで、現代におけるリープフロッグの一角だと言う。その後、歴史上では中国はかつては先進国であったのに逆にリープフロッグされてしまったことを紹介する(明以降アヘン戦争まで)。さらに、産業革命で世界のトップランナーとなった英国がリープフロッグされてしまったことを描く。 と、ここまで書くと長年の野口悠紀雄マニアとしては「いつものネタじゃねーか」ということになるのだが、今回著者は停滞する日本が、再びリープフロッグするためにはどうすればいいのか?ということのために最終章を割いている。ここで、その内容を書くのは避けるが、要は参加する個々人の心持ち次第で、いずれの国家もローマ帝国のような栄華を得ることがいつの世でもできるということなのだろうか?心もとない幕切れはぜひご自身で読んで確認頂きたい。