野口悠紀雄氏:インフレ目標2%は達成不可能

以下は、動画中の野口悠紀雄氏の主張まとめ
((注)同氏の個人的見解でありますので、誤解の無いように。投資等は自己責任でお願いします。)
1 金融政策は効かない、それが歴史の事実。お金を増やそうと思っても、経済全体に需要が無いから増えなかった。
2 2%の物価上昇はできない。08年に原油価格が上昇した時にただ一度だけ1%を超えたのみ。1%すらできるはずがない、2%はできない。
3 金融政策は加熱している経済を冷ますことはできる、がその逆はできない。
4 インフレ期待が上がると、名目金利が上がる。よって金融緩和によって実質金利が下がることはあり得ない。
5 株や不動産などが実体経済と乖離して上がるのがバブル。いずれ崩壊し経済が大混乱する。バブルは起こる(と思ったほうがいい)。今の株高もたぶんバブル。企業の収益と不動産の収益をチェックしておくといい。
6 今の円安は去年の10月からだ。となると、原因はユーロ危機の一服と考えるべき。その証拠にイタリア国債の利回りが7%くらいから4%くらいに低下している。その動きと円安はほぼ連動している。
7 今の金融緩和の本当の目的は国債の消化であることは明白だ。物価の話とかは仮面だ。国債の金利負担を低下させるためだ。いつまでできるかどうかはわからない。札割れが既に起きつつある。無制限には金融緩和はできない。突破するためには、日銀引受しかない、やるかどうかはわからない、が可能性はある。今の日銀法ならノーと言えるが。だから日銀法の話が出ている。過去戦時中の日銀法であれば、政府は日銀に国債の引受を命令できた。
8 このままになると、定期預金がチャラになるということで、国
は負担を負うことになる。戦後に現実にあった、また起こるということだ。ハイパーインフレではないが、100倍くらいのインフレが起きるということだ。大変であることに変わりは無いが。どの程度になるかは、わからない。終戦直後と違うのは、資本取引が自由であるから、キャピタルフライトが起きるだろう。円安で国内インフレがコントロールできなくなる危険性が強い。日銀の独立を破るということは、そういうリスクが起きると考えるべきだ。

9 財政出動のために国債の金利を下げたいのだが、それが表立って言えないから物価上昇の話にすり替えているだけだ。個人の立場であれば、為替をウオッチしておくのが重要だ。資産をドルに変えることを真剣に考えないといけないだろう。
10 20年間飲み続けた麻薬をまだ飲むということだ。末期的症状だ。日本という国を捨てざるを得ないことを真剣に考えないといけない。

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