【レビューNo.1851】エブリシング・バブルの崩壊

 

エブリシング・バブルの崩壊

評価★★★

著者はトルコ人であるが、東大理科一類大学院卒業後、野村證券勤務の後に独立し、昨今はYouTubeなどでの動画投稿によりわかりやすい市場解説などが好評であることは、評者のSNS上の知人らの話からは承知していた。

が、近時、かの池田信夫氏が著者の発言をしばしば引用するなどに及び、特にブログで書評にまで至った本書は読むしかないかと観念した次第(図書館で十数人待ちだったためKindleにて購入)。

おそらく執筆の途上で予想もしてなかったウクライナ侵略が始まったことが原因と思われるが、書中の前後でやや不可解な内容が存在しているのは残念(編集者はちゃんと最終稿のチェックをしたのだろうか?)だが、本書が指摘しているようなこと(全面的な市場の破局)が、本当に起きるのであれば(それは「ブラックスワン」の定義からして、時期は誰にも予測できないが、ちなみにブラックスワンの本家本元も警告を発していることは、耳を傾けておくべきであろう。)、今我々はどうしたらいいのだろうか。一人一人が自己責任で真剣に考えねばなるまい。

なお、本書の帯にはさも日本(株式)が有望な投資先と誤認するような記載があるが、著者の言う米国株のファクトリーリセット(リーマンショックを大幅に上回る下落、しかも最大で30年近い長期低迷と予測)が起きた際には、日本株式も無傷ではないと書中には書かれていることは忘れずに書いておこう。

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