【レビューNo.1850】長寿の嘘
長寿の嘘
評価★★★
先日読んだ和田秀樹氏の70歳本に、本書の著者のことが幾度となく引用されていたので、同氏の直近作(と言っても4年前の本だが)。
考えてみたら、父がたの叔父叔母や祖母は小太りの人ばかりだった。父も最後18年にわたり脳梗塞とその後遺症に悩まされたが90歳近くまで長寿を全うした。その長兄である伯父は97歳で、まだ元気はつらつだ。
片や母がたの叔父叔母は細身の人間が多く、早く他界したものが多かった。しかも、本書で指摘されているように、がんで亡くなった者が多いのである。
本書では、メタボ健診による過剰なコレステロールコントロールから、かえって日本人の健康にリスクとなっており、特にがんの発症が目立って増えるのだという(死者中の割合)。
本書を読んでいて、評者の長年の持病であるめまいについての本に書かれていることを思い出した。同書によると、めまいは耳石位置を適切なところに戻す体操をするとほぼ治るにもかかわらず、「大人の事情により」耳鼻科では投薬治療がなされているという。
それと同じようなことがメタボ健診によって行われ、膨大な医療費が無駄遣いされていると著者は言う。
そう言えばかのタレブも「血圧の薬など何の意味もない」と著書に書いていたかと思う。医療について、我々はもっと真剣に考えなければならないのだろう。