【レビューNo.1838】天才論 立川談志の凄み

 

天才論 立川談志の凄み

評価★★★★

立川談志没後10年ということで、街を歩いていても各種イベントやテレビやラジオ番組(先日のNHKラジオ第一放送の特番では著者がゲストスピーカーを務めた)が目に付くなか、我が盟友である立川談慶師匠も続け様にそのテーマででの執筆を続けている様である。

本書の白眉はやはり第二部である著者の二つ目昇進への苦闘劇であろう。師匠が求める歌舞音曲を必死に学びながらも9年にもわたり前座からの出世を許されない中、妻や弟弟子(これがまたライバル早稲田大学出身の立川談生(当時、現在は談笑))にまでアドバイスを求めながら、ついに師匠から二つ目昇進を認められ、しかも、師匠の名前から一字を与えられた談慶への改名(著者はデビュー時は立川ワコール、、、、、ワコール社で会社員経験の後、師匠に弟子入りしたことからの命名だろう)を許されるシーンは、恥ずかしながら寝床でKindleで読みながら号泣したことを告白しておこう。

読んでいていくつも耳が痛くなることが山のようにあって、Kindleにたくさん「ハイライト」してしまったが、『「動いているだけで評価してもらえるかも」という甘えを持っていたのかもしれません。これは芸人のみならず、カタギのサラリーマン諸氏にもいえることではないかと思います。』は特に痛かった。

ありがとう、これからもよろしくお願いします。

行けるようになったら、寄席に参上します。

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