【レビュー№1790】ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」・第8番「悲愴」・第23番「熱情」

 

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」・第8番「悲愴」・第23番「熱情」

評価★★★★

もはや録音から60年以上の日が経っているというのに、いまだにこうして新譜が出るということが、バックハウスのベートーヴェン3大ソナタの本録音が名演中の名演ということの証左だろう。

デジタル・リマスタリングがなされているとのことだが、聞いてみるとやはり昔日の録音であることを感じることは仕方あるまい。

しかし、これをオーソドックスと言わずして、どの演奏をオーソドックスということになるだろうか。ここには誰しもがそうであろうと思い描いている月光や悲愴がある。たまにはグールドの尖った演奏を聞くのもいいかも知れないが、人知れず夜に心落ち着けて聞きたくなるのはこの盤だろう。クラシックにまったく関心の無いはずの家内から、珍しく自分のiPhoneに音源を落としてくれと頼まれたことが、それを物語っているに相違ない。

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