【レビュー№1773】リープフロッグ
リープフロッグ
評価★★★
題名のリープフロッグとは蛙飛びのことだが、後から来たものが、蛙が飛び越すように追い越してしまうことの意味で昨今は使われているようだ。
我々としては真っ先に中国のことが目に浮かぶわけだが、本書では中国の目もくらむような先進のネット、クラウド社会を冒頭紹介した後、意外にもアイルランドに話を移す。アイルランドは今や英国をしのぐ勢いで、現代におけるリープフロッグの一角だと言う。その後、歴史上では中国はかつては先進国であったのに逆にリープフロッグされてしまったことを紹介する(明以降アヘン戦争まで)。さらに、産業革命で世界のトップランナーとなった英国がリープフロッグされてしまったことを描く。
と、ここまで書くと長年の野口悠紀雄マニアとしては「いつものネタじゃねーか」ということになるのだが、今回著者は停滞する日本が、再びリープフロッグするためにはどうすればいいのか?ということのために最終章を割いている。ここで、その内容を書くのは避けるが、要は参加する個々人の心持ち次第で、いずれの国家もローマ帝国のような栄華を得ることがいつの世でもできるということなのだろうか?心もとない幕切れはぜひご自身で読んで確認頂きたい。