【レビュー№1768】認知症でも心は豊かに生きている
評価★★★
認知症研究の第一人者(そもそも痴呆を認知症と言い換えることについての最大の貢献者)である長谷川先生。
評者は職務上いわゆる「長谷川式」検査にて認知度合のチェックをすることがあるが、その長谷川先生ご自身が認知症になったと告白されて早くも3年になると言う。
この本はその長谷川先生が、認知症について百問百答的に解説している新著なのだが、読んでいて途中で切なくなって本を閉じてしまった。
以前放映されたNHKスペシャルでも先生ご自身が言っておられたが、若い頃先輩医師に「君自身が認知症になった時、君の研究は完成する」と言われたそうだ。
本書は正にそれを地で行くわけだが、それを正視するのは今の私には耐えられないものがあった。