【レビュー№1746】日本企業の勝算



日本企業の勝算 

評価★★★

思いもせぬ政権交代があり菅首相が就任した。報道などによると、氏の経済ブレーンの一人として著者アトキンソンの名が上がっている。新政権発足と前後して「地銀問題」がクローズアップされるなど、何やら風向きが変わりそうに感じて、あわてて著者の近著を手にとった。不思議なことに著名な著者の近著にしては図書館での順番待ちもなくすぐ借りられたのだが、その理由はすぐわかる。わかりにくいのだ。おそらく著者は内外の膨大なレポート(その中心は中小企業白書であるが)を精査したようなのだが、それを読んで感じた著者自身の感情の高まりがあまりにも激しかったのか、わかりやすい日本語の文章になってない(と、英国生まれの彼に言うのも酷な話ではあるが)。だから、あまり人気になってなかったのだろう。

本書に書かれていることはただひとつ、日本には中小企業が多すぎる、それが経済低迷の唯一無二の理由であり、そこを改善しなければ日本経済に未来は無い、ということだ。そのことを様々なデータから繰り返し繰り返し強調されるので、読んでいると辟易とする。

まさか政権がいきなり中小企業いじめをするとは思えないので、その偽装のために地銀いじめをを始めたのだとすれば、それは高度な作戦と言えるだろうが、果たして真相はどうであろうか。

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