【レビュー№1732】中国が世界を攪乱する


評価★★★★
元々、米中対立に関して予定していたものを急遽コロナ関連を含めて取りまとめた野口悠紀雄氏の新著。
著者は近時、音声入力による「多作」を行なっているが、今回についてもそれが活かされた形か。刊行直前に大幅な軌道修正をしたと思われる。著者は既に後期高齢者であるにも関わらず、衰えることなくチャレンジングスピリットを失わないことに改めて敬意を表したい。
過去の著作で、悪く言えば中国ITマンセー的な立場も感じさせていた著者だが、今回はその中国に対して全否定とも言える立場に転換していることは、特筆すべきだろう。
氏の推測からすれば、当初の本書の主テーマであった「米中対立」は中長期の課題どころか、終わることの無い最終戦争的な問題となるようだ。
明日までは、Kindleで無料で読めるが、仮にそれ以後お金を払ってでも読んでおいた方がいいだろう。

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