【レビューNo.1651】オペレーションZ
「ハゲタカ」の原作者である真山仁の最新作。タイトルのオペレーションZとは要は国家財政危機が迫る中立案される極秘の財政再建計画のこと。その中で様々な立場の人(政治家、官僚、マスコミ、自治体、一市民、、、、、、)の生き様が作者ならではの現実感をもって描かれている、、、、、、、実際には、例えば夕張市等々の実例が基になっているようではあるが。
面白いのは、現下発生しているいわゆる「文書問題」において「省益あって国益なし」としばしば感じられる事象が見て取れるのだが、おそらく本作にあるような国家危機においても同様のことが起きてしまうのだろうと感じさせられることか。それは、映画「シン・ゴジラ」と似てないでもないが。
ネタバレを避けるため内容に言及することは差し引きかえるが、おそらくは本作は序章であり少なくともこのあと2作くらいは続編が続くのであろう。小説家も大変なお仕事である。