【レビューNo.1650】反脆弱性
ベストセラー「ブラックスワン」の著者であるナシームタレブの最新作、と言いたいところだが既に最新作「Skin in the game」が英語では発刊されている中、4年の歳月を経てようやく日本語版の発売にこぎつけた著者の前著。
読めばわかるが、著者も指摘しているように「ブラックスワン」よりも本書の方が、より汎用性の高い内容となっている。だから、どなたにもお薦めできる。
その守備範囲は、経済や金融にとどまらず、キリのないとりとめのないジャンル(例えば、医療、健康、糖質制限など)へ話の展開が連続する。プロローグでも触れられているが、本書のレビューや解説を書こうとすると、4冊から5冊分の本に対する熱意が必要となるだろう。評者自身も、ここで本書を短くレビューするなどと言う事は、全くもって不可能だ。しかしながら、矛盾したことを言うようだが、本書こそ全ての人が一度は読むべき本であろう。おそらく評者は、本書をこれからも何度となく読むことになるだろう。噛めば噛むほど味が出てくる、スルメイカのようなものなのかもしれない、本書は。