【レビューNo.1593】ウルトラセブン


今年はウルトラセブンの本放送から50年の記念すべき年だそうだ。道理で評者も歳を取るはずである。
MXテレビで細々と毎週再放送がなされていたが、全話を見させていただいた。主人公モロボシダン役の森次晃嗣氏もいまだご健在で、氏の経営する湘南にある洋食屋では、毎月一度ファンミーティングが継続して行われている様であり、50年を経ていまだその熱気は冷めてない様だ。
ご承知の通り、ウルトラマンシリーズはエヴァンゲリオンやシンゴジラの庵野監督に多大な影響を与えており、今になって見直すと随所にこれは第三新東京市のモデルだったなあと思わせるシーンや色合いの場面が多々ある。
ストーリー的にも今でも通用する内容のものも多い。惑星間核ミサイルでかえって敵の反撃を受けた話は、現在の北朝鮮危機とも相通ずるものも無いではない。
何人かの監督が交代で制作されていた様だが、やはり映画監督の実相寺昭雄氏が監督した作品は、群を抜いた完成度と思われた。

また、50年を経てどのテクノロジーが現実となり、どれはならなかったかなども興味深い。タレブが近著「反脆弱性」で語る様に、我々の生活はそうは変わらない。50年前から遠くに行くのは飛行機であり、近くに行くのは自動車なのだ。そして、宇宙旅行やレーザービームなどはいまだその実現への道のりは遠い。Apple Watchもビデオレシーバーの様な機能があるとは言えないだろう。

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