【レビューNo.1591】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
評価★★★
先日内田光子ピアノ伴奏によるモーツァルトのバイオリンソナタを聞いたが、悪くはないのだがどうにもピアノの主張が強く感じられた。そして彼女の演奏は他でもそうだが、どうにも聴いていると彼女の哲学者か修行僧が沈思黙考してる様な表情が脳内再生され、それがいい時もあるがそればかり聴いてると息苦しくなる時もある。
そう言う意味では、このピリスのモーツァルトバイオリンソナタは気楽に聴くことがてきる。とは言え、そこに弛緩した芸術があるはずもなく、伴奏ピアノとしてのあるべき姿としては、ピリス盤の方が一枚上手か。かつての名伴奏ピアニストのジェラルド・ムーアの名言(自伝の書名でもある)「お耳ざわりですか?」を想起させるものがある。