【レビューNo.1498】北の保線
評価★★★
近時、JR北海道の苦境が伝えられている中、たまたまこの本の存在を知り、読んでみる気になった。もしかすると、苦境の背景にあるものが本書から汲み取れるのではないかと思ったからだ。
淡々と、鉄道保線の基礎知識とその現場の実情、北海道ならではの除雪の苦労、悲惨だった洞爺丸事故の記録(不勉強で知らなかったが、洞爺丸以外にも合計5隻の連絡船が沈没した大惨事)などが語られており、失礼ながらその文脈からは現在のJR北海道の苦悩の原因をうかがい知ることはできなかった。
とは言え、保線というジャンルの書物は少ないであろうから、貴重な内容であることは変わりないのだが。