【レビューNo.1466】人口と日本経済


評価★★★★
例によって池田信夫氏推薦図書であるが、この本は面白い。今や日本国中が少子高齢化症候群に陥っているように思うのだが、著者はこの考え方を「退嬰的」だとして批判する。過去の歴史を振り返れば、経済に影響を与えたのは人口ではなく、労働生産性の向上であったことは明らかだと著者は言う。また、ともするとフロンティアは失われてしまっておりこれ以上のイノベーションは願うべくもないと考えがちな我々に対して、例えば「赤ちゃん向け商品と思われていた紙おむつが今や老人向けのものの方が出荷額が多い」といったこともイノベーションのひとつなのだとして、今後も労働生産性向上の可能性はあると説く。本書によれば、平均寿命と一人当たりGDPの間には優位な正の相関があるのだそうだ。池田信夫氏が言うように、問題は人口なのではなく(イノベーション促すような)制度設計であることは自明であろう。

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