【レビューNo.1464】現代思想2012年2月号 特集=債務危機 破産する国家
評価★★★
池田信夫氏がグレーバーの「負債論」を絶賛されているようだが、大著な上に現在書店等では売り切れの様子。原著のレビュー欄に本書に解説記事が寄稿されていると知り購入した次第。しかし、この解説記事もなかなかに難解(というより原著が難解なのだろうけれども)。この記事から原著の全体像を想像するのはなかなか難しいが、要は負債(借金)は定期的に踏み倒すことが常であったのが人類学上の常識であったとグレーバーは言いたいようである(ご存知の通り、彼はオキュパイウォールストリート運動の理論的支柱)。
ただ、例えば日本においては、国自体が負債にまみれてしまっており、これをどうすればいいのかということについては、ちょっとこの記事を読んでも思いつかない。グレーバーが主張するように、踏み倒すことが正当化するというのが答えなのかも知れないが。