【レビューNo.1454】「めんどうくさい人」の接し方、かわし方
評価★★★
著者は史上初の塾員(慶應義塾大学卒業者の俗称)の真打ち噺家であり、偶然にも評者の大学時代の同じゼミに所属していた同期同窓であるが、いよいよ人生の収穫期に入ってこられたようで著書も量産体制に入ってきたようだ。本作は第4作目で初の文庫本。評者は普段文庫本は数時間もあれば読破してしまう速読派であるが、今回のこちらはなかなかスピードが上がらないもどかしさを最初感じていた。なぜだろうと思っていたら、自然と彼が落語を語っている様を脳内再生しながら読んでいた自分に気がついた。
本書は、長大な彼の落語がそのまま文庫本となっていると思えば極めてお買い得な書だろう。なにせ、一言一句に言葉遊びが散りばめてあり、油断するとせっかくの笑うシーンを見逃してしまうからだ。
先日、学生時代以来の宿題であった彼のライブ落語をようやくお聞きする機会があったが、これを読んでまた聞きたくなってきた。また、ひょっこり足を運ぶとしよう。