【レビューNo.1453】スマホが神になる


評価★★★
ネット上で活発な発言をされている恐らく唯一の宗教学者である島田裕巳氏の新著はスマホが神になったというなかなか衝撃的な題名。ついつい気になって読んでしまったが、現代のあらゆる宗教界におけるネットの影響を概観した書といったところか。面白いのは、新興宗教全体として停滞が見られるのに、ネットをうまく活用した真如苑が順調に信者を増やしている話か。また、イスラム教は日々はもとより年間を通じてののお参りの儀式が複雑怪奇(西洋暦とマッチしてないことも原因)であり、これらをサポートするスマホアプリがあり本書でも紹介されているが、意外にもそれを使用して忠実にお参りする信者はさして多くないそうだ。欧州では既に毎週教会に通う敬虔なキリスト教徒は10%に過ぎないと著者は言う。暇つぶしとしてのウエッブが神を駆逐する日が、近づいてきたのだろう。

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