【レビューNo.1447】気候変動クライシス


評価★★★
例によって池田信夫氏推薦図書だが、高名な経済学者(ワイツマン氏)とバーバード大学の研究者兼活動家(訳者の山形浩生氏のあとがきによる、ワグナー氏)の共著による気候変動に関する書。池田氏のレビューにある通りだが、読んでみれば気候変動問題を一種のファイナンス問題と捉えて考えようとする思考実験であるとわかる。
色々と好みの分かれる翻訳者の山形氏であるが、本書の訳者あとがきは適切に感じる(無批判に本書の内容を肯定するわけではない、むしろ胡散臭いところもあると感じている様だ)。

かつて大規模火山噴火で短期間に地球冷却に効果があったことが確認されており、ジオエンジニアリングと称して気候変動(温暖化)を人為的に抑える(航空機から大量の二酸化硫黄を散布する)ことが考えられている様だ。著者らはそれは危険な賭けだとして否定的な考えを示している。面白いのはリフレ派の訳者の山形氏が、肯定的に捉えていることだ。しかし、それはリフレ日銀が事実上の転進に追い込まれたのと同じような事態を招きはしないだろうか?と評者は思ったのだが如何だろう?

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