【レビューNo.1441】人工知能は人間を超えるか
評価★★★
人工知能と言えば著者が日本での第一人者であるようだが、氏による人工知能についての入門書のというのが本書の位置づけだろう。
過去の3度にわたる人工知能ブームの歴史と現時点での状況とこれからの展望について、淡々と語られている。
先ごろある著名な方が「AIがブームだが、まだ使い物にならない。現に、外国語の翻訳はまだGoogle翻訳でもダメじゃないか。」と語っていたが、評者も実は同意見である。例えば、ナシーム・ニコラス・タレブの難解なFacebookでの英語のつぶやきを、自動翻訳で和訳してもまったく意味不明の日本語になる。本書によれば、それが可能になるのは2025年頃と予想している。従って、確かに足元は第3次人工知能ブームでAIが盛り上がっているのだろうが、まだまだ時間のかかる話なのだと思われる。といったことがわかっただけでも、本書を読む価値はあると思われる。