【レビュー№1427】太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで 下
評価★★★
一連の太平洋の試練シリーズの最終巻。太平洋戦争の影の主役であった米潜水艦隊やおなじみマリアナの七面鳥撃ち等々について史実に基づく描写が続く。興味深いのは冒頭のその潜水艦隊についての記載。潜水艦戦は最初から順調な立ち上がりとは程遠く、また戦死率も米軍全軍中結果最悪(22%)であったという。臆病な艦長達としばしば起こった同士討ちなど、初期の潜水艦戦は混乱そのもの。魚雷の性能も悪く、発射後発射管内で停止するようなことも起きる始末。実戦でも次々と敵艦を逃してしまうなど惨憺たる有り様だった。しかし、徐々にそれらの問題点が改善されついに1945年3月以降は南方から日本へは一滴の石油は届かなかったのである。