【レビューNo.1392】自信がある人に変わるたった1つの方法
自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法
評価★★★★
過日「元自衛隊メンタル教官が教える 「折れてしまう」原因は、ストレスではなく◯◯だった」という記事を見かけた。ちょうど体調不良に陥っていたこともあり、早速その記事に紹介された本書を手に取った。
軍隊(自衛隊)といえば、かつての戦争映画に見られるような「貴様、それでも帝国軍人か!気合を入れる!」式のご指導なのかと思っていたが、著者の任務は「コンバットストレス教官」とある。つまりメンタルのケアが現代の軍隊(自衛隊)では極めて重要なミッションと成っているのだ。気になって防衛庁のサイトを覗いてみると、確かにそのようなことが書いてある。
著者は自衛官(防大卒であって防衛医大卒ではないのでいわゆる医務官ではないと思われる)であって心理学の専門家ではなく前線での実務家といったところと思われるが、逆に本書は実務家ならではの知恵や経験が凝縮されている。
興味深いのは本書に度々出てくる「現代人はスーツを着た原始人」だとする考え方だ。人類発祥の約400万年前からの大半の期間を食うや食わずどころか生死が絶えず危険にさらされた先史時代だったことを考えれば、当然の話だ。ところが、私を含め多くの人がそれを当然と考えないが為に、不幸な出来事が絶えないわけである。昨今の清原元選手の事件などもまさにそういうことなのだと、本書を読むと理解できる。
心理学の最先端(カーネマンやデータの見えざる手など)ではないかも知れないが、メンタルケアの最前線の知恵を知りたいと思うなら、悪くない書だと思う。