【レビューNo.1363】ルーズベルトの死の秘密


評価★★★★
例によって池田信夫氏推薦図書なのだが、さすがに本書の内容には驚かされた。本書によれば、第二次大戦中の米国大統領であるフランクリン・ルーズベルトは長期間にわたり病に冒されていて、ヤルタ会談の頃には恐らくは皮膚癌が脳に転移し正常な意思決定判断ができない状態だった可能性が高かったという。
その隠された大統領の身体が、病がどの様なものであったかを、あたかも伝記の様に生まれてから死ぬるまでの記録を発掘し(ようとし)たのが本書だ。
ヤルタ会談ではソ連の対日宣戦が密約されたわけだが、正常な状態でなかった大統領によってその様な決定がなされ、もしかするとそのことが広島長崎への原爆投下に繋がったのかも知れないと思うと、広島生まれとしてはやるせない。もっとも、最大の被害者はその後ソ連の管理下となった、東欧諸国だったのだろうけれども。

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