【レビューNo.1344】神龍特別攻撃隊―潜水空母搭載「晴嵐」操縦員の手記
神龍特別攻撃隊―潜水空母搭載「晴嵐」操縦員の手記 (光人社NF文庫)
評価★★★
先日、NHKの歴史秘話ヒストリアで旧日本海軍の潜水空母こと伊400潜水艦の特集をやっていたのだが、その番組で年老いた著者が出演されていた。
著者は、開戦の真珠湾攻撃の際の重巡洋艦利根の艦載水上偵察機から始まり、終戦まで艦載水上機乗りを続けた異色の経歴の持ち主だ。そして、その最後の出撃が番組でも取り上げられていた伊400艦隊の艦載機による特攻攻撃だったのだ。すんでのところで終戦となり、帰国途上で米海軍に拿捕、等々番組に取り上げられていた内容が、ご本人によって描かれている貴重な記録と言えるだろう。
意外だったのは、水上機の部隊ないし教育機関が、旧陸軍や他の旧海軍航空隊に見られるような暴力的な指導等があまり見受けられず、半ば共同体意識で士気が保たれていたらしいということだ。
戦後70年の今年、個人的にはまたこの手の読書が続きそうな気がした。