【レビューNo.1341】私がアナウンサー


評価★★★
娘の学校で、先日保護者会なるものがあった。その際、卒業生によるゲスト講演会があったのだが、登壇されたのが著者だった。
早いもので、菊間元アナウンサーも43歳になられたそうだ。努力して弁護士になられたとは聞いていたが、やはり我々の世代にとって菊間さんと言えばフジテレビのアナウンサーであり、あの中継中の落下事故で大ケガをされた方ということになるのではないか。
本書は著者がその事故から約2年後に、関係者への取材調査等もした上で、事故後の回復の過程を記録した手記だ。
上記でご紹介した「講演会」で、著者は司法試験(ちなみに一度失敗し二度目の受験の折のことだったそうだ)の前日にふとしたことから本書を読み、事故時の自分がどれほどの苦痛を克服したかを改めて思い出し、号泣しつつも大いなる勇気を与えられ、結果試験に平常心で臨むことができたと言っておられた。
正直お話を伺うまでは、ちゃらちゃらしたお姉さんみたいな人なのかと思っていたが、聞いてみて驚いたのだが、小学校の頃から、フジテレビのアナウンサー(ただのアナウンサーでなく、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのフジテレビということらしい)になることとその先は弁護士になることが明確な将来の夢だったそうだ。そして、その目的のため何をどうするかの葛藤が、著者の現在までの人生だったそうだ。
そんな彼女がまだ瑞々しい時代の記録は、今50になった自分が読むと気恥ずかしいものを感じる部分も無いではないが、こういう本を読んで、あの頃の自分はどうだったか?あれからどうしてきたのか?と振り返るのもたまにはいいのではないか?そう思わされた。

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