【レビュNo.1336】巨龍の苦闘


評価★★★★
この直前、橘玲氏の近著「中国私論」を読んでまたまた中国心配病が出てきたので、続いて津上先生の近著を緊急流し読みした。
世の中には中国について、極めて楽観的な判断をしている田村耕太郎氏のような方もいれば、前述のように悲観的な見方をしている橘玲氏のような方もいる。
いま、この3氏のご意見を見聞きした上で言うならば、本書の津上先生はまさに中庸を得た判断をなさっておられるのだろう。ただし、その津上先生をもってしても、中国の今後の予想(そもそもそんなことが可能かどうかという話ではあるが)の幅は極めて大きい。それは、橘玲氏が近著で書いていたことで援用するならば「中国は人が多すぎる」ということに起因するのだろう。
官職を投げ打って中国(と日本との関係)に人生を賭けておられる津上先生ならではの本書、私の様な者が申し上げるのも失礼ながら、一読の価値はあろうかと思う。

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