(追記あり)【レビュー№1211】炭水化物が人類を滅ぼす

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
評価★★★★★
本書を読んでることを色んなところで喧伝していたのだが、Facebookでは「これが本当なら香川県は全滅してる」と言われたり、「炭水化物は栄養の基本中の基本」と女房にバカにされたりした。今は病に倒れている実父は、元気な頃「日本人が健康なのは米の飯を食うからだ」と豪語していた。
ところが不思議なことに、本書でも記されているように、糖質制限を実践されている方で、体調がおかしくなったとか仰る方を聞いたことが無い。かつての私の上司で、毎晩11時くらいまで深酒する方がいたが、不思議と健康診断での数値に異常が無いという。その時は糖質制限のことを知らなかったが、いま本書を読んでみるとその上司の方は無意識の内に正しく糖質制限食をしつつ深酒をしていたために、健康を維持されていたようだ(なお、私見だが、一部の糖尿病専門医が警告するようなストイックな糖質制限は、まず普通の精神力の人なら不可能だ。日に一度くらいは米やパンも食いたくなるだろうし、数日に一度くらいは菓子やケーキも食べるだろう。)。
著者は本書の終章を「(評者追記 糖質の原料である)穀物に支配された人間たち」と名づけている。随分大げさだなと思われるかもしれないが、読み終えると十分に納得いく話だと思う。騙されたと思ってご一読されることを強くオススメしたい。本書を評者の「オススメ10冊」の中に加える予定であることを申し添えておこう。

(追記)本書のオススメ10冊への追加は見送る。本書の著者は食糧危機論に帰依しているようだが、今読んでているこちらによれば、やはり食糧危機はあり得ないシナリオのようだ。

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