【レビュー№1199】株の五輪書


負けない投資家のためのマスト・ルール 株の五輪書
評価★★★
宮本武蔵を想起する題名からすると投資のプロ向けの書と誤解しそう(評者も誤解していた)だが、ネット証券大手のカブドットコム証券のチーフアナリストが記した個別株株式投資初心者向けの書。
本書によれば、アベノミクス以降、ネット証券では新規の口座が爆発的に増加したのだという。しかし、リーマンショックの最悪期には持ち金が1/3にまでなった個人的な体験からすれば、この世界に海図無く飛び込むのはまさに清水の舞台から飛び降りる(ことわざでは勇気ある行為の意味だろうが、普通に考えれば蛮勇だろう。清水寺に行けばわかることだ)ような愚かなことであろう。
最近は投資の類の本を読んでないので、本書がこのジャンルでベストなものかどうか評価する立場には無いが、冒頭でまず損切りルールから入るあたり、そして前著でも著者が主張していた空売りの重要性を説いている点は興味深い。昨今は、日経平均の逆の値動きをするETFもあるので、素人でもこの辺の敷居は低くなりつつあるのはありがたい。
差し当たって、参考にする本が無いという株式投資初心者の方にはお薦めはできる。ただし、これを読んだから、この通りやったからといって、必ず儲かるわけではない。そして、その探求の旅は、投資を辞める日が来るまで永遠に必要なことだけは確かだと断言する。

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