【レビュー№1190】海軍乙事件


海軍乙事件 (文春文庫)
評価★★★
夏休みということで、このところそれらしき本の読書が続いているが前々から読もうと思っていた海軍乙事件をついに手に取った。
著者はこの手の歴史小説ものを書かせたら超一級の吉村昭氏。以前大震災の直後頃に氏の関東大震災を読んだのだが、その緻密な調査に裏打ちされた描写に舌を巻いたが、本書でもその技は遺憾なく発揮されている。ある時は自分が二式大艇に搭乗しているようであり、ある時はジャングルで行軍させられているようでもあり、ある時は軍令部で尋問されているようである。
ここであえて乙事件についての内容なり感想について書くことは避けるが、同じ本に収録されている海軍甲事件(山本五十六連合艦隊司令長官機撃墜事件)と併せ読むと、感慨深いものがある。

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