【レビュー№1181】金融の世界史: バブルと戦争と株式市場

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)
評価★★★★
驚くべき情報量で真の坂の上の雲を描き切った「日露戦争、資金調達の戦いの著者による「金融の世界全史」振り返り。メソポタミアのタブレット(現代のタブレット端末と同様の役目を持っていたらしいことは興味深い)から、リーマンショックに至るまで、およそお金に関わる歴史がすべて語られている。
元となっているのが、新聞への連載記事だったこともあり、一話一話の区切りが明確であり、読みやすい構成となっているのはありがたい。
前著同様凄まじいばかりの調査の上で書かれたであろうことは、読めばわかる。著者に「ご苦労様でした」と一言ねぎらいの言葉をかけたくなる。
書中にも出てくるタレブの言う「ブラックスワン」がこれからも避けられぬことだとしても、過去を知っておくことはそれは知らぬ人よりはより良い未来を生きることができると思うのだが、どうだろうか?

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