【レビュー№1164】ヒトラーの経済政策



評価★★★
たまたま少し前に本書のことをジャーナリストの江川紹子氏がつぶやいていたので手に取った。途中でかつて池田信夫氏がレビューしていたのを知り、なるほどと思いながら読んでいた。(余談だが、この池田信夫氏のレビューも一読の価値がある。)
現在アベノミクスの拡張的政策から財政破綻を危惧する声が聞こえて来るが、そういった方々がよく口にするのが、第一次大戦後のドイツのハイパーインフレだ。本書は、そのどん底からドイツ経済がいかにして復活して、そして短期間のうちに敗戦による挫折を再び経験することになるかをコンパクトにまとめた書だ。私はかつて冗談で、ギリシャとかはエーゲ海の島を担保にして債券発行したらどうか、と書いてきたが、実はドイツではそれとほぼ同様のことが第一次大戦後のハイパーインフレの際に行われていた。ドイツの国土そのものによって保証されたレンテンマルクの発行がそれだ。

この起死回生から驚異的な経済回復がもたらされるのだが、、、、
今般行われているアベノミクスとやらが如何なる結果となるかは、神のみぞ知るだろう。
だが、少なくともブラックスワンのタレブのこの箴言を忘れない様にしたいものだ。
私たちは学ばないということを私たちは学ばないということを自然とは学ばない」

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